2018年01月28日 配信

1/28(日)女子高校生らが米ロボコン「FRC」にエントリー
クラウドファンディングなど活用し資金集めも

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 千葉県出身・在住の東邦大学付属高校生徒らのチーム「FRC Team SAKURA Tempesta」が米国で行われるロボコン「FSC(FIRST Robotics Competition)」にエントリー、3月下旬にハワイ州ホノルルで行われる大会に向けて活動している。

 FRCは、民間の非営利団体RIRSTが主催する、高校生(中3~高3生まで)のための世界規模のロボット競技会。出場要件などが厳しいため、日本国内からのエントリーは少なく、今大会でも2チームのみエントリーしている。千葉工業大学に活動拠点を置く「FRC Team SAKURA Tempesta」は、未経験の女子高校生主体のチーム編成で大会エントリーをしていることで話題になっている。

 チームリーダーを務める中嶋花音(かのん)さん(17)は、高校1年生の夏から昨年7月まで米ミネソタ州ミネアポリスに留学。その際ホームステイした学校で、FRC出場チームに参加。未経験ながらもチームTシャツのデザイン、企業へのアポ取り、動画編集などでチームに貢献した。

 チームは、チェアマンズアワードに選ばれセントルイスで行われた世界大会に出場した。みんなでロボットを完成させていく過程に、これまでに感じたことのない充実感を得た中嶋さんは、帰国後もその高揚感が忘れられなかったという。しかし、自分でチームを編成し、出場するには開催地があまりに遠すぎるため、出場を断念しようとしていた。

 留学時代のチームメイトが「参加しなきゃ後悔するよ」と背中を押してくれたことで、出場を決意。さっそくフェイスブックページで仲間を募ったところ、中学時代の同級生荻田倫那さん(17)が「興味あり」の反応。中嶋さんは荻田さんとともにFRC出場に向けて準備を始めた。

 SNSや友人のネットワークを使て情報を発信、子どものためのプログラミング道場「CoderDojo千葉」で一緒に学んできたメンバーや高校の同級生らも合流。「SAKURA Tempesta」が結成された。

 一般的なロボコンでは、ロボットのみが評価対象なのに対してFRCでは、生徒たちが資金集めをするところから始まる。エントリーフィーとして、6000ドル(約65万円)が必要になるが、この資金が集まらず出場を断念するチームも多いという。

 「SAKURA Tempesta」は、この6000ドルをクラウドファンディング(約45万円)、企業からのスポンサー(25万円)などでクリア。今度は大会参加のために必要な渡航費など約200万円を集めるため奔走している。

 エントリーフィーには、ロボット作成に必要な基盤や部品類が全てセットになっているが、全て型番から使い方を調べ、英語で書かれた説明書を翻訳し、ロボットに組み込んでいく。大会では、毎年新しいテーマの課題が与えられるが、これをクリアできるロボットを開発し、複雑なルールに則って勝ち抜かなければならない。

 また、企業への提案などもちろん初めて、試行錯誤し、冷たい対応に現実を見せられるが多くの人に助けられる。現在研究室を間借りしている千葉工業大学のfuRoにも支援者の縁でつながった。支援者、人の縁、様々な課題、問題を周囲の大人たちの支援で解決していく。FRCの活動を通じて高校生たちは、感謝の気持ちを素直に表現することを覚えたという。

 「ありがとうございますって素直に言えるようになりました」と、荻田さん。父母には照れくさくて感謝を伝えられない思春期。2月20日頃までにロボットの制作を終え、大会会場に送らなければならない。

 現在集まっている資金は100万円ほど。ロボットプログラミングの楽しさを伝え、多くの人を巻き込みながら、残り資金を集め、ロボットを完成させるというミッション。彼女たちの挑戦に残された期限は、4週間を切っている。

 資金援助や、寄付、メンバーに加わてみたいという相談は、メールから。frc@sakura-tempesta.org

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※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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