2015年09月01日 配信
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朝から翌日の明け方までみこしは担がれる

6年に1度だけ行われる「下総三山の七年祭り」は、いよいよ今年が開催の年!
千葉県の指定無形民俗文化財である伝統的な祭りを、今年はぜひ見に行ってみよう。

下総三山の七年祭りとは?

諸説あるが、一説には室町時代から続く祭り。船橋市三山にある二宮神社に、市内からだけでなく、千葉市花見川区、習志野市、八千代市の4市から合計9つの神社のみこしが集まり行う「安産祈願と安産御礼」の祭事のこと。江戸時代の享保12年からは丑と未の年の6年に一度に行われており、かぞえ年で「7年」という理由と縁起が良い7を取り上げ「七年祭り」と呼ばれている。今年は2009年から6年ぶりとなる祭りの開催年であり、三山地区では祭りを迎える準備が今まさに進められている。

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祭りのメーン会場となる二宮神社は、日本で唯一「ふなっしー御守り」を販売する神社としても知られている
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各神社のはんてんの衿や背面には地区名やそれを示すマークが。二 宮神社と田喜野井地区のはんてんには「た」、二宮神社と藤崎地区は「藤」と書かれている

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七年祭りの起源

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「起源は諸説ありますが、馬加陸康胤(まくわりやすたね)という城主が安産祈願と御礼の祭りを開いた説が有力です」と、田久保さん。
室町時代の文安2年、康胤の奥方が、懐妊10カ月を過ぎても出産の気配がなかった。二宮神社と子安神社(旧・素加天王社)の神主に祈祷を命じ、無事に出産したあかつきには盛大に祭りを催すと誓ったのが「磯出式」のルーツ。その後まもなく男児が安産で誕生。大変喜んだ康胤が盛大に開いた祭りが「安産御礼大祭」だという。
「七年祭りでは、安産祈願よりも先に安産御礼大祭を行うことから『三山の祭り、後が先』といわれています」と文化財であり、下総三山エリアを代表する大きな祭りとなっている。

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各神社のみこしが集まる「神揃場」には竹で作った
「竹矢来」 と呼ばれるフェンスが出現する。昨年は
900本前後の竹を使用したという
かつて二宮神社みこしの担ぎ手は旧三山地区の長男
のみとされていたが、担ぎ手が減ってきたこともあり、
最近は長男でなくても担ぐことが許されてるなど規定
が少し緩やかになりつつある
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午前5時にはみこしが集合し、朝から三山の町は活気であふれる。行列は700人を超えるという

9月に行われる「湯立祭」の前に「勢揃い式」が行われる。ここでは二宮神社の氏子たちが祭りの安全を祈願。毎年、夜には芸能タレントによる演芸会を催す。
「湯立祭」は、11月の大祭では裏方にまわる二宮神社の「寅待会」がみこしを担ぎ、三山の町内を練り歩き、夜には「二宮神社の神楽」が奉納される。

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役員は全員浴衣姿で、羽織とカンカン帽が目印。これは大正から昭和初期に流行った姿でもある(左)三山の町を練り歩き、最後は神社の拝殿へ(右)
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お祓いのあと、アサリを拾って身を清める。かつては鷺沼の浜で1キロ沖まで入って式をしていたそうだ

三山の祭り関係者が各神社の一行を迎えるにあたり、二宮神社から徒歩で旧鷺沼海岸(習志野市)に行き、ケースに入った海水で身を清める「禊式」。関係者のみが行うので、一般の人は見学できない神聖な式。

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神揃場に集合する各みこしと担ぎ手たち

最も見ごたえあるのが、この「大祭」。この日、9つの神社のみこしが二宮神社から約600メートル離れた「神揃場」に集合する。各神社のみこしがタイムスケジュールに沿って順に二宮神社までを練り歩き、最後は神社の境内に入り参拝する。これは無事に出産できたことを祝い、その御礼参りでもある。

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各みこしの先頭には「金棒」と呼ばれる役割の人がつく。金棒は、男児が独特な化粧を施し、地域によって衣装もさまざま(左上)
険しい道も通っていく(右下)
二宮神社の社殿へみこしが入っていくところスリリングなシーンでもある(左下)
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クライマックスともいえるのが、2つのみこしを重ねる儀式

大祭で二宮神社を参った後、父親である二宮神社、母親の子安神社、子守役の子守神社、産婆の三代王神社の4社のみこしが磯出式で安産祈願をするため、幕張の会場へと移動する。ここで満潮の時刻にあわせ、幼い男女がハマグリの交換をする神事が関係者で執り行われる。その後に安産のお守りである榊(さかき)と貝がらが観覧客にまかれ、最後に二宮神社と子安神社のみこしを重ねあわせ別れの儀式が行われる。

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※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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