2015年06月01日 配信

昭和36年に市内の金属工業60社が集団化して設立した
「船橋機械金属工業協同組合」。どのような目的で設立した組合なのだろう?

同組合理事長の板谷直正さんに、その経緯や活動内容、
今後の見通しなどについてうかがった。

201506_itaya_.jpg

どのような目的で組織されたのですか?

昭和34年、 中小企業の立場を守ることを目的に、市内の金属工業60社が集団化して 設立。それまで市内全域に散在していた工場などが船橋市栄町に集まり、工業団地を 作ることで効率よく仕事ができるようにしたのです。湾岸の埋め立てが始まったのも この時期で、資金を出し合い埋立地を購入、何もない原っぱに道路を作り区画しました。
高度経済成長期の真っただ中、仕事も増え、工場の拡張や業務の拡大も視野に入れ ていました。さらに、住宅地内の工場などは、騒音や異臭などの公害問題に直面していま したが、それらの問題も湾岸周辺に集まることで解消することができました。
今では鋳造から機械加工、プレス加工、板金・製缶加工、 溶接・溶断加工、仕上げ組 立と幅広い業種がそろい、プラスチック成形加工まで加えて数多くの完成品を製造し ています。
全国的にみても、この工業団地構想を初めに取り組んだのは船橋市で、「国 指定第1号」として認定されています。

大変なことはありましたか?

工業団地を作るための資金が足りなかっ たため、協同組合を作り国に働きかけ、4年かかりましたが、「中小企業高度化資金」 制度を作ることに成功。組合に入ってきた資金を各企業に分配できました。ほかにも 船橋市商工会議所内に振興会を作り、中小企業振興協議会も傘下におきました。
この辺りは工業専用地域、当時はセキュリティー会社もなく、各企業は交代で泊ま り込み、工場を守ったものです。
さらに近年では東日本大震災で被害を受けましたが、千葉県や船橋市の支援のもと 復興することができ、感謝しています。

現在の活動や今後の展望をお聞かせください

ベンチャー企業等を組合員として受入れることはもちろん、海外からの研修員の受 け入れ態勢も整えて、当工業団地や組合員企業への視察などを積極的に進めています。
2013年にはベトナムからの留学生との交流会なども開きました。
実は、当組合貸工場が老朽化により建て直しを検討しています。
これまでも市に働きかけて「ベンチャープラザ船橋」を作るなど起業家の支援をしてきましたが、貸工 場の立て直しに合わせベンチャープラザ船橋を卒業された企業の受け入れや、防災拠 点としての機能も含め、2年後を目標に貸工場(3階建)を完成させたいと構想中です。

最後に、船橋でよく訪れる場所はどこですか?

「船橋大神宮」です。正月には必ず参拝し、 安全祈願と商売繁盛をお願いしています。

201506_itaya_pf.jpg 板谷直正 氏

・昭和09年生まれ
・昭和27年 新潟県立柏崎工業高等学校   機械科卒業  株式会社東京製作所 入社 ・昭和32年 協和工業株式会社入社 ・昭和58年 協和工業株式会社 代表取締役社長 ・平成13年 船橋商工会議所 副会頭 ・平成14年 協和工業株式会社 代表取締役会長 船橋機械金属工業協同組合 理事長 ・平成26年 秋の勲章旭日双光章受章

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード