2013年01月01日 配信

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写真/船橋大神宮狛犬

◆狛犬とは?

日本全国に建立されている神社は本社はじめ、摂社・末社を含めると20 ~30万社あると推測されており、船橋市内だけでも70社以上あると文献に記述されている。そのうち狛犬のいる神社は50社あり、合計63対の狛犬が確認されている。そもそも「狛犬」とは、神を護るつくり物として多くの神社に奉納・寄進された空想上の守護獣像。犬とも獅子とも区分けのつかない獣の事だ。奉納された時代によって狛犬の形にも特徴があり、鎌倉時代後期~室町時代には奉納者の名前が狛犬の胴体に刻まれているものも。


◆船橋の狛犬の特徴

船橋の狛犬は地元の有力者や氏子などからの奉納・寄進が多く、江戸時代末期から始まり、明治・大正・昭和初期にかけてのものが多い。狛犬の形態も作り手と奉納者の思いによって様々で、船橋では台座に子獅子、玉を抱えた形の狛犬が一番多くみられる。また、船橋で一番多く狛犬を作り、奉納してきた「船橋金子国松」という石工の名前も確認できた。
時代によって風貌や彫り方の変化する狛犬。近隣の神社に参拝しに行く機会があれば、地元の狛犬を見てみては?

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◆船橋狛犬マイスターに聞きました!

日本参道狛犬研究会 鷲 嘉雄さん

石の芸術「狛犬」に魅せられ、日本参道狛犬研究会に入会。独自に地元船橋市内の神社・仏閣を自転車でまわり、50 神社63 対の狛犬を調査確認し、まとめあげる。これを元に、公民館での歴史講座も行っている。

『狛犬の魅力とは、今にも動き出しそうなまさに「石の芸術」です。石の塊から一本のノミで狛犬を作り、奉納者とそれを請負った彫師の石工さんとの心の会話が聞こえてきそうです。』
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◆船橋を代表する彫師

【船橋金子國松】 石国工業(株) 5代目・金子 健さん

先代の「船橋金子国松」はもともと宮本の(有)金子石材店で石工として修業をしておりました。その後、のれん分けし「金子」の姓を名乗ることを許されたと聞いております。彫師としての先代の腕は素晴らしく、現在の技術に引けをとらないと思いますよ。

[石国工業(株)]住所:船橋市本町4-30-10 TEL:0474-23-2522

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【Point1】口の彫が浅いか深いかで石工さんの技術が見れる
【Point2】角がある場合もある
【Point3】阿吽で顔が若干違う
【Point4】阿は口があいている
【Point5】模様や彫方は石工さんの好みや技術によって異なる
【!】狛犬に雌雄の区別はないと言われています。
【!】時代によって「尾」の形も違うんですよ
【!】このように尾が流れるように体に巻きついているのを「流れ尾」といい、江戸時代後期からの狛犬によく見られる特徴です。
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Q:2対の狛犬に違いはあるの?
A:もちろん!本来は「獅子・狛犬」と呼びます

向かって右側が口を開いた角なしの「阿像」で獅子。左側が口を閉じた角ありの「吽像」の狛犬です。獅子( 阿形)・狛犬( 吽形) は毛並の彫り方や、角が有るか無いかなど、そもそもの造形が異なっていましたが、近年では造形の違いがなくなり、呼び方も単に「狛犬」で定着しているんです。

Q:狛犬はどこから来たの?
A:起源は古代エジプトまで遡ります!

古代文明の中では最も強い動物として獅子が尊ばれ、権力の象徴として王家は獅子の像を置いていました。最大のものはスフィンクスです。その後シルクロードにより、インドを経由し、中国で獅子(ライオン像)が霊獣の唐獅子に変化・定着。日本の狛犬は仏教とともに伝来してきました。

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船橋江戸後期の古い狛犬
八坂神社[住所:船橋市印内2-7-8]

天保7年に奉納されたこの狛犬は、船橋で江戸後期に造られた古いもの。現在建て替え中の本殿手前には昭和に奉納された狛犬がおり、その裏の神殿手前に鎮座してい る。顔は笑っているような印象があり、全体的な彫はあっさりと仕上げている。尾は左右に分かれて、江戸時代後期の狛犬に見られる「流れ尾」の特徴がみられる。

「両方とも前足の一部が欠けていますが、吽形の足の位置から想像すると、子獅子か玉を抱えていたのかもしれませんね」

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kmicon_01.jpg【MyFunaカード】
①Casual☆Bar NAGI

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船橋を代表する石工が作った狛犬
神明神社[住所:船橋市飯山満町1-639]

船橋で最も多くの狛犬を作ってきた彫師「船橋金子国松」の作品の一つ。船橋金子国松とは歴代の石工の名称で代々引き継がれており、完成するまでには、複数の職人が関わっている。金子国松狛犬の特徴は前足が太くどっしりとした蹲踞タイプが主流でこのような子持ちタイプはめずらしい。

「子獅子には「子供たちが健やかに育ちます様に」という願いがあります」

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kmicon_01.jpg【MyFunaカード】
①居酒屋かんたろう

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奉納は平成元年。真新しい狛犬
星影神社[住所:船橋市二和西3-6-43]

奉納は平成元年と、まだ真新しい狛犬。顔の作りも昭和・平成の狛犬は目の玉までリアルに彫られたり、彩色が施されるなど、それ以前の狛犬の顔とはまた雰囲気が異なる。明治3 年「稲荷神社」として創建された同神社。その後、二和の開墾当時、朝夕の星影を見ながら働いたという事から「星影神社」に名を改称したという説も。境内には狛犬の他にも、今もお稲荷さんが鎮座している。

「狛犬が玉を持っているのは「良いことが将来起こるように」という意味もあります」

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kmicon_03.jpg【MyFunaカード】
①COMECOMEKEME

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歴史ある神社を守る狛犬
入日神社[住所:船橋市海神3-7-8]

第12 代景行天皇の王子日本武尊東夷御征討のおり、伊勢湾方面より海路を利用し上総の国に上陸。次いで下総の国に上陸したところがこの地だったと言われている。その際、上陸記念と郷土御守護、五穀豊穣等の為、神の社を建立した。小さいながらも歴史のある神社。狛犬は全体的にシンプルな作りで、彫は浅く作られている。丸みを帯びており、重量感あふれる見た目。裏口にも一対の狛犬が鎮座している。

「このポーズは「蹲踞」と言います。狛犬の中では一番ベーシックなスタイルです」

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船橋で一番ユニーク(?)な狛犬
春日神社[住所:船橋市印内町494]

鳥居をくぐり、やや急な階段を登った先に、獅子山に登った一対の狛犬が出迎えてくれる。この神社の狛犬は船橋の中でもとてもユニークなもので、吽形の狛犬が登る獅子山の下に、子獅子が親を見上げるような形で座っている。顔もなんだか寂しそうな表情だ。阿吽どちらの狛犬も、今にも動き出しそうな躍動感に溢れている。

「本来の獅子山には富士山の溶岩を使用したそうです」

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kmicon_01.jpg【MyFunaカード】
①一九庵
②フナバシ屋
③浜寅
④嵯山
⑤じゅう屋
⑥一九
⑦おどる肴
⑧梅翁総本舗

◆知ってる?神社の正しい参拝の仕方

初詣に行く際はぜひ下記の事に気を付けてみてください!

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◆まず鳥居をくぐる時は一礼をしてから

鳥居から先は神様のいらっしゃる神聖な場所。一礼をしてから入場しましょう。神社を歩く際は「左側通行」と言いますが、これは昔刀を持っていた時代、刀同士がぶつからないように廻り方が決められたそうです。

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◆参道は真ん中を歩かない

参道の真ん中は神様が通るところ。端を歩くようにしてください。また、神社内で大きな声を出したりせず、静かに内観しながら歩くことをおすすめします。

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◆手ちょうずや水舎で必ず手と口を清める

私たちの普段目には見えない自分についた「罪・穢れ」を祓います。崇高な神様のおそばへ行かせていただくのですから、少しでも清めてから神様にご挨拶をします。

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◆神殿前では

そっと賽銭箱にお金を入れます。鐘をならしたら2 礼2 拍手をし、その後手を合わせて普段の暮らしに感謝の祈りをします。終わったら1 礼をすること。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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