ご存知ですか!?判断力が不十分な人を保護し、
支援する為の法制度である「成年後見制度」
船橋市成年後見支援センターが開設
船橋市成年後見支援センターが、平成23年7月15日に開設されました。
船橋市自立支援協議会での話し合いの中で、判断能力の不十分な人を保護し、支援するための法制度である成年後見制度利用について、障害者の場合は、成年後見人等(成年後見人、保佐人、補助人)の受け手がいないという問題が認識されました。そうしたことなどから、障害者の成年後見制度の円滑な運用を図るために、成年後見業務を行う「成年後見支援センター」を市が設置し、困難事例に対応していこうということになりました。
そして、センターの実際の業務は、特定非営利活動法人PACガーディアンズが受託する形で行っています。
センターの具体的な受託業務内容は、
① 法人後見等受託業務(法人が成年後見人等になる)
② 後見手続きに関する相談業務(成年後見制度を利用するにあたっての電話相談)
③ 船橋市との連携
ですが、開設に伴い、成年後見申立の相談援助の依頼も、その数を増してきています。
特定非営利活動法人PAC
ガーディアンズ
PACガーディアンズは、障害者の権利擁護を行う任意団体から発展し、2005年12月に法人となりました。船橋市をはじめ東葛地域、千葉市等の障害者の家族団体と専門家のネットワークの中で設立されています。
PはProtection、AはAdvocacy、CはChibaを表しています。
ガーディアンズは後見人という意味です。
名前が表すように、法人の目的は、障害のある人々及びその家族に対して、地域で暮らす際に必要な福祉サービスの利用に関わる権利擁護の支援に関する業務ならびに成年後見に関わる業務を行い、もって人権の擁護と社会福祉の増進に寄与することです。
そして、その目的を達成するために、
① 地域生活支援・権利擁護に関する事業
② 成年後見の受任ならびに利用と養成に関する事業
③ その他各前号の活動を行うに必要な事業
を行っています(法人定款から)。
PACガーディアンズの行う成年後見
成年後見制度は、誰のためのものでしょうか。もちろん、当事者本人のためのものです。
本人が幸せになるために、成年後見人等が支援する制度です。財産の管理をすれば、本人は幸せになるでしょうか。身上監護面での諸契約やそのフォローだけで十分でしょうか。
まず第一に、本人の能力をできるだけ制限しない制度の利用を考えています。自己決定が重要です。そうした援助を考えます。
第二に、成年後見だけでは、十分な援助はできないことは自明の理です。支援の輪がいくつも重なること、本人と関わる人を増やすことが大切です。その中には、「コミュニティフレンド」のような、まちの中の友だちづくりも必要と思います。
さらに、成年後見人等(法人の事務執行者)の養成や引継、本人との関係づくりとの観点からも、複数での受任を基本としています。
親と法人、複数の事務執行者などいろいろな形で行われています。
PACガーディアンズへの思い
私は、社会福祉士として、独立の事務所を持ち、主に権利擁護の活動をしていました。
そうした中で知り合ったのが、PACガーディアンズという組織であり、その仲間です。
成年後見にかける思いは同じでした。
制度を利用することで、本人が本当に幸せになれるのか? 成年後見人等が、自分の価値観で本人を縛ってよいのか? 成年後見人等は、本人のために何を考え、何を援助すればよいのか?
PACガーディアンズでの活動は、そうした疑問を常に考えさせてくれる場でもあります。
一人でも多くの仲間が、こうした思いを共有しながら、一緒に活動できたらと思っています。
船橋市成年後見支援センター
センター長 社会福祉士
小川 裕二 氏
【成年後見支援センター】
船橋市本町6‐3‐16
レックスマンション602
TEL.047(407)4441
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください