前回、火星の移住計画をお話しました。今回と次回では1000年で火星を地球に変えるという壮大な計画についてお話します。この火星の地球化計画を「火星のテラフォーミング」といいます。私は人類がこのまま地球の環境破壊を続けていけば1000年程で地球は人類の住めない惑星になってしまうと考えました。それでは、どうしたら火星を今の地球のように変えることができるか、そのシナリオをお話しましょう。
それは四段階に分けて考えました。
第一段階は火星の無人探査です。20世紀後半から2020年頃までに無人探査機による色々な探査を行います。そして、最後には火星の岩石資料を持ち帰るサンプルリターンを行います。小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「いとかわ」から見事にサンプルリターンして地球に帰還したニュースはまだ記憶に新しいと思います。この探査により生命探査の方法を確立します。
第二段階は2025年頃に有人探査機によって生命探査と資源探査を行います。有人探査は当然国際協力のもとで行われます。その後、2050年までに宇宙ステーションを経由した地球への帰還技術の検討を行い、地球—宇宙ステーションー火星間の安全な飛行システムを確立します。
第三段階は火星定住計画を開始します。初めは10人程度が閉鎖系居住基地に定住して基地建設を行います。2100年頃には1000人程度が常時滞在することになります。そして、2200年頃から独立した文化圏の確立を行います。多分、5000人を超える「火星人」がそこで生活することになるでしょう。
第四段階はいよいよ火星の地球化計画です。2200年頃から火星を地球に変える計画にとりかかります。西暦3000年には第二の地球が誕生するのです。
次回は第四段階の詳細をお話します。
日本宇宙少年団千葉コスモス分団では常時団員を募集しています。希望者はホームページを参照してください。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/Chiba-Cosmos/
【筆者プロフィール】
小池惇平(こいけ・じゅんぺい)
昭和18年長野県生まれ。元国立大学法人東京工業大学教官。
現在青山学院大学非常勤講師。
日本宇宙少年団千葉コスモス分団団長。専門は宇宙生命科学。
理学博士。船橋市宮本在住。
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