2011年04月01日 配信

私は大学で火星に関して研究してまいりました。今回、私の研究についてお話しします。

1975年米国がバイキング計画で火星に探査機を軟着陸させ色々なデーターを送ってきました。そして、NASAは火星には生命の痕跡すら存在しないと発表しました。私の火星研究はこの時から始まりました。私はまず火星と同じ環境を作れる装置を考案して「ミニ火星装置」と命名しました。このミニ火星装置を使って地球環境のどこにでも存在している大腸菌や枯草菌(納豆菌と同種)、クロコウジカビ(餅に生えるクロカビ)、ラン藻などを実験しました。その結果、ラン藻や枯草菌やクロコウジカビの胞子は火星環境でも条件によっては相当長期間(二百年で25%生存)生き残ることが判明しました。このことから、火星にはかつて生命は誕生し今でも何らかの痕跡があるにちがいないと考えました。今でこそNASAは私と同様なことを公表しています。

この結果は別の面から考えると惑星探査機による惑星の汚染の危険性という深刻な問題が考えられます。この状況を私は「宇宙検疫」と呼び国際会議で発表してまいりました。探査機を無菌にすることは国際的にきめられていますので基本的には汚染する可能性はないのです。しかし、国際基準がないので詳細は不明です。特に有人探査では人は無菌化できないのでこの問題は重要です。生命探査をした結果、生命の存在が確認されても本当に火星に存在したものなのか探査機とともに地球から持ち込まれたものなのか区別ができないのでは大問題です。将来、有人探査機で生命探査が行われるのは必然的でしょう。最近、NASAでも宇宙検疫の重要性が提案され始めました。

次回は火星移住計画について述べます。

日本宇宙少年団千葉コスモス分団では常時団員を募集しています。希望者はホームページを参照してください。

http://www005.upp.so-net.ne.jp/Chiba-Cosmos/

 

 

【筆者プロフィール】

小池惇平(こいけ・じゅんぺい)

昭和18年長野県生まれ。元国立大学法人東京工業大学教官。

現在青山学院大学非常勤講師。
日本宇宙少年団千葉コスモス分団団長。専門は宇宙生命科学。

理学博士。船橋市宮本在住。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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