2011年03月01日 配信

太陽系惑星の探査は今までに多数行われてきました。昨年6月「はやぶさ」が小惑星イトカワからみごと帰還したことはまだ記憶に鮮明に残っていることと思います。これで日本の惑星探査の技術が国際的にもおおいに評価されました。「はやぶさ」の偉業は後日あらためて書きます。

火星探査は今までに多数行われています。なぜそんなに火星探査が行われるのか、その理由をお話ししましょう。探査目的の第1は生命探査です。火星は40億年前までは地球と同じように水がある惑星であったと考えられています。地球の最初の生命は40億年前後に誕生したと考えられますから、当然火星でもその頃生命が誕生したと考えて間違いないでしょう。通常、こうした原始生命を証明するには岩石に含まれている微化石(微生物の化石)を分析します。しかし、地球は岩盤運動が激しいため、30数億年以前の岩盤は残念ながら地表に残されていません。従って、地球の最初の生命は地球では証明できないのです。幸い火星は岩盤運動がありませんので、今でも微化石を採取することが可能なのです。原始生命つまり我々地球生命のルーツを発見することができるのです。私は専門が火星生命ですので、微化石以外にも生きている微小生物の存在すら期待しています。

第2の探査目的は資源探査です。火星は地球の約半分の大きさですが、資源探査はまだ始まったばかりです。どんな有用な資源が眠っているのか興味深いものがあります。

探査目的の第3は将来地球人類が生活するのに適した惑星であるかどうか調査する目的です。地球はいつまで人類が安全に生存できるか不明です。将来宇宙に出かける必要がある事態が生じるかもしれません。その際には火星がもっとも適しています。この火星移住計画は後日あらためて書きます。

近い将来、有人探査が計画されています、その時にこうした疑問はすべて明らかにされるでしょう。

次回は火星生命と宇宙検疫について述べます。

日本宇宙少年団千葉コスモス分団では常時団員を募集しています。希望者はホームページを参照してください。

http://www005.upp.so-net.ne.jp/Chiba-Cosmos/

 

 

【筆者プロフィール】

小池惇平(こいけ・じゅんぺい)

昭和18年長野県生まれ。元国立大学法人東京工業大学教官。

現在青山学院大学非常勤講師。
日本宇宙少年団千葉コスモス分団団長。専門は宇宙生命科学。

理学博士。船橋市宮本在住。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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