2009年02月01日 配信

 

海と緑に恵まれた、デンマーク・オーデンセ市との姉妹都市

 

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様々な産業が活発に営まれ、みどり豊かな自然も多い船橋。

その魅力とパワーはどこに根ざしているのか?

前回に続いて、船橋の過去と現在を知る2氏にお話ししていただいた。

町内会と市の連携が街を安全に

中沢 藤代市長になってから、周囲の人々がものすごくやる気になってきてると思うんですよ。藤代市長はみんなのやる気を起こさせる、自発性を尊重するスタイルですからね。それは尊重すべきものです。商店街が活性化しているのも、そういう姿勢が間接的な影響を与えたからだと思うんです。

藤代 そう言っていただけるとうれしいです。中心市街地の活性化については、京成を高架化し、JR船橋駅と京成船橋駅を直接デッキでつないだ時、京成船橋駅からJRを利用している方々がいらっしゃいますが、そういった方々が帰宅の際に、JRから京成に乗り換えて、船橋をそのまま通過してしまう事は無いだろうかと心配していました。でも結果的には皆さん積極的に商店街を利用してくださっているので、とても安心しました。

伊藤 それと商店街が活性化したことのひとつの要因として、犯罪件数の低下があると思うんです。防犯パトロールをたくさんつくっていただいたことが大きいと思うんですが、現実的に犯罪件数がすごく減ってるんですよ。

藤代 平成15年の犯罪発生のピークから比べ、約7千6百件、率にして42%ほど犯罪件数が減少しています。(H19年データより)

中沢 まず町内会が動くから、“市としても協力しよう”という流れが自然に発生するんですね。それで双方が一緒に、そして無理なく防犯に取り組んできたということで、まさに相乗効果だと思います。

藤代 市民防犯課を作ろうという話になったとき、『それは警察の仕事ではないですか?』という意見も出たんです。でも結果的には、作って正解でしたね。

伊藤 大正解ですよ。安全・安心は、都市の成熟に欠かすことのできないファクターですから。昔は犯罪や事故がものすごく多くて、船橋署は県内筆頭の忙しさだったそうなんです。それがいまでは、船橋市が率先して県内の犯罪件数を下げているんですからね。

藤代 船橋署が忙しかった時代は、駅前交番で扱う犯罪件数が、鎌ヶ谷全体よりも多いくらいだったそうです。

伊藤 それがここまで改善されたというのは、本当にすごいことですね。住民が安心して暮らせる街として、見事に発展したわけですね。

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アンデルセン公園は船橋の象徴 

中沢 そういうことも含め、現在の船橋ではあらゆる分野の方々が、それぞれ創意工夫をこらしていろんな提案をして下さいますが、そして市としては、それらをちゃんと吸収して方向づけをしている。そんなあり方こそ、市政運営にもっとも重要なところではないかと思うんです。

藤代 私が印象的だったのは、平成19 年の10月2日から11月4日まで、ふなばしアンデルセン公園で開催された第24回全国都市緑化ふなばしフェアですね。平成19年が船橋市の市制施行70周年にあたるということで、記念行事の一つとして開催されたものですが、市民の皆さんと行政が一体となって、あれだけの大規模なイベントを成功させたことは、大変いい経験になりました。また、携わった職員の自信にもつながったようです。

伊藤 あの規模のイベントをまとめるというのは、大変なことですからね。

藤代 アンデルセン公園は童話作家のアンデルセンが生まれたデンマーク・オーデンセ市の協力を得て、平成4年の福祉と緑の都市宣言を契機に整備された公園ですが、緑化フェアの効果もあってか、おかげさまでだいぶ周知されてきましたからね。

中沢 そうですね。アンデルセン公園は、日本一といっても差し支えないほどの公園に育ちましたよね。

伊藤 樹も立派に育ってくれましたしね。最初のころは植林という印象が強かったんですが、時間とともに自然と融合していった。自然の森の重要性を、改めて感じましたね。

藤代 アンデルセン公園という名のとおり、風車があり、デンマーク国内外で初めて複製化が許可されたアンデルセンの銅像までありますからね。世界的にも例がない公園だと思います。

中沢 それにアンデルセン公園のような場所が地域になじむと、すごく教育効果があるとも思うんです。先ほどの経済の話についてもそうですが、船橋は他市と比較して、都市間競争に完全に勝ってるんですよね。

伊藤 経済、防犯、自然など、あらゆる要素が同時進行的によくなっていくことで、結果的に人が集まってくるというわけですからね。

中沢 そうです。だから賑わいがあるんですよ。船橋の人口増加は、地域の活力を意味しているんですよね。

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海がある船橋は潮風の香る街

中沢 それから注目すべき船橋のもうひとつの特徴は、海があることですね。そして、海を大事にしようという姿勢が顕著だと思うんです。

伊藤 そうですね。

中沢 農業にも同じことがいえると思うんですが、船橋には、奥行きの深さがありますよね。

伊藤 自然を大切にしてますからね。

中沢 それも船橋のよさですね。内陸の美しい緑と貴重な干潟「三番瀬」など都市と自然が調和しているのも船橋の大きな魅力だと思います。

伊藤 そういう意味で象徴的だったのは、海老川の変化じゃないでしょうか。以前、経済ばかりを優先するあまり、海老川が汚くなってしまった時期があったんですよ。でも『もう一度きれいにしよう』ということで、行政と市民と我々が立ち上がって一体となってがんばった。そのおかげで、現在ではきれいになってきたんですよ。

藤代 何年か前には、サケが遡上してきましたしね。川が多くの皆さんの力で見事に蘇りました。海では漁業も盛んですが、2008年はイワシがものすごく捕れたそうです。前年の捕獲量は7トンなのに、2千トンも捕れたといいますから驚きですねよ。20年ぶりの周期だそうですが、2千トンのイワシといったら大変なものです。

伊藤 同じように、アサリも数年前から増えましたよね。

藤代 それから海苔も好調です。何といっても、三番瀬のりは食品産業センターの『本場の本物』に認定されていますからね。

中沢 海といったら船橋ですからね。こんなに魚がとれるところは、県内にないじゃないですか。

伊藤 そうですよねえ。

中沢 東京や神奈川と比較しても、こんなに漁獲料の高いところは船橋以外にないですよ。

伊藤 船橋は大昔から、江戸の台所として機能していましたからね。

藤代 そう、船橋の魚は殿様への献上品だったんです。

中沢 いまも、そういう精神が続いてるんじゃないですか?

伊藤 復活してきたといった方がいいでしょうね。海老川がそうであったように、一時期は産業優先になってしまって、日本中で環境をだいぶ壊してしまったんですよね。でも近年、そんなあり方が変わってきましたね。

中沢 おかげで船橋のたくさんの名産品が復活したわけですね。今後はそれを、さらにどんどんアピールしていかないといけないですね。

藤代 市も支援していきたいと思います。

中沢 期待しています。潮風が香ってたんですからね。船橋は、潮風の香る海の街なんですね。

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藤代孝七(ふじしろ こうしち)

1942年(昭和17年)12月15日船橋生まれ(市北部の古和釜町)の船橋育ち。平成9年6月、船橋市長選挙に初当選。現在3期目。基本姿勢は「市民に開かれた清潔な市政」。中学時代は野球部、高校・大学柔道部に所属し、柔道4段。県議時代は議員野球の選手として活躍したスポーツマンでもあります。

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伊藤賢二(いとう けんじ)
1941年(昭和16年)12月23日船橋生まれ(船橋本町)の船橋育ち。船橋商工会議所会頭の他にも千葉県間税会連合
会会長、日本楽器ヤマハ会会長、千葉県公安委員長など多くの重職を歴任。中学、高校時代はブラスバンド部に所属。クラリネットに親しんだ。「今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に…」をモットーに日々活躍中。
 
 
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中沢卓実(なかざわたくみ)
前myふなばし編集長

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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