2009年02月01日 配信

――専門学校経営の立場から見て学校教育の現場はどのような状況ですか?


鳥居校長(※以下鳥居)全般的に、自分で考えて行動するのが苦手な子どもが多いと感じています。少子化の影響なのか、年齢相応の適度な負荷を受けてこないままに育っている子が多いからではないでしょうか。少し子どもを甘やかし過ぎている感があります。成長過程に大人がどのように関るかは、非常に重要な問題だと思います。

――どのような関わり方をすべきでしょうか?


鳥居 成功体験を積ませることが大切です。成功体験のある子どもは、自発的に行動を起こし、精神的に自立して行きます。就職活動など自分の力を試す場面で、それのない子と比較して大きな差が出てきます。本来であれば失敗から何かを学び取って成長してゆくものですが、多くの大人が失敗の直前で手を差し出してしまう。

時には目の前で転びそうな子どもを敢えて転ばせて、自分で起き上がれるよう訓練するのも大切です。まずは、子どもに手探りでやらせてみる。自分があくまで子どもにとってのアシスト役だということを、大人が認識しなければなりません。

――現在の子ども達がプラス思考になれない原因は何でしょう?


鳥居 幼稚園から小学校へ上がる際のギャップが大きな原因の一つではないかと考えています。幼稚園まではちょっとしたことが出来ても褒められていましたが、小学校に入ると他者と比較され、「これが出来ない」、「あれが出来ない…」と変わってしまいます。自己紹介で自分の長所を発表してと言われても全く浮かばない子もけっこういます。「短所なら書けるんだけど…」と、これじゃ寂しいですよね。

よくある例ですが、コップに半分だけ入った水を見て「あぁ半分しか残っていない…」と見るのか、「まだ半分も残っている!」と見るのか。プラスの意識で物事を捉えるだけで全く見え方が変わってきます。

子どもは本来、何に対してもひたむきなものです。何をするにも一生懸命。移動は常にダッシュ!みたいに(笑)。今の時代は自分のいい面を知らない子が多い気がします。

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鳥居高之(とりいたかゆき)

東京都出身/1964年10月24日生

学校法人三橋学園船橋情報ビジネス専門学校 校長

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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