2016年02月01日 配信

船橋南部在宅療養研究会 第1回市民公開講座

船橋南部の医療圏で発足した「船橋南部在宅療養研究会」が研究会としては初開催の公開講座「緩和ケア病棟について」を千葉徳洲会病院地域連携室の看護師長・伊東理砂さんを講師に2月12日、船橋市勤労市民センターで開催した。
ガン終末期の介護現場で登場する「緩和ケア病棟」をテーマに行った講演。「緩和ケア病棟」では、看取りをすることもあるが、痛みを和らげる「疼痛(とうつう)コントロール」を目的とした施設で、基本的には在宅復帰を目指す。一般市民にはもちろん、介護の現場で働くヘルパーなどでも混同しがちなこの二つを一般市民に向けて公開講座という形で分かりやすく紹介した。

ガン終末期、看取り希望は在宅?病院?

船橋市内では自宅での看取りを希望する人は60%に及ぶ。しかし、実際の在宅看取りは15%程度。データによると78%もの人が病院での看取りで最期を迎えているという。この数字は全国平均とほぼ同程度。なぜ在宅看取りが進まないのか、同研究会の久野慎一医師は、「介護負担が大変なのではないだろうか」と、仮説を立て、研究会の会員からデータを集め検証にかかってい る。
千葉県は人口あたりの医師・看護師の数が全国で2番目に低い県だという。船橋市でも増え続ける人口に対して医療従事者の育成が追いついていないのが現状だという。実際の現場では、訪問看護ステーションの数が増えても、夜間の訪問には対応できない場合も多い。
在宅に興味を持つ医師や看護師の多くが高齢に近い年齢だというのも一因だ。訪問診療には、ある程度の経験を積んだ40代以降の働き盛りの医師が最適だという。すべての診療科目の知識を一通り持っていることが求められるからだ。若い医師に興味を持ってもらえる仕組みづくりが急務だといえる。

取材協力
船橋南部在宅療養研究会
医師 久野慎一氏

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※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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