2015年10月01日 配信

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この人に聞きました!

大乃家
大野安枝さん

市場に最も活気があった開設当初 46 年間市場を見守ってきたおかあちゃん

船橋市場にはたくさんの企業が入居しているが開設当初から現在も現役で働いているという人は実はそんなに多くはない。おふくろの味で知られる「大乃家のおばあちゃん」こと大野安枝さん(82)は、開設当初のことをいまでも生き生きと語ってくれる貴重な人物だ。
安枝さんは、船橋市場に入居する前、6歳年上の夫・勇さんと一緒に製氷会社で働いていた。船橋駅の北側にあったこの会社は、11の青果市場、2つの水産市場が合体した船橋市中央卸売市場開設に合わせて移転した。このタイミングで安枝さんは、製氷業から飲食業に転身したのだ。初めての飲食業経。市場で働く男性たちが「応援するからやってごらんよ」と、みんなで力を貸してくれた。実家が魚屋だった安枝さん、主婦の手料理とはいえ冷凍物の魚は一切使わなかった。新鮮な魚で仕込んだ煮魚、愛情のこもった揚げ物や野菜の煮物は市場の男たちの心と胃袋をわしづかみにした。
開店すると毎日の睡眠時間が1~2時間という目の回るような日々が続いた。朝晩と なく長距離トラックの運転手や仕事を終えた市場の男たちが間断なく暖簾をくぐり、ボリュームのある安枝さんの料理に酒を合わせ、よく食べ、よく飲んだ。余りの忙しさに当時18歳、紙問屋に就職したばかりの娘・好江さんを2カ月で退職させ、店の手伝いに回らせた。「配達でいつも真っ黒に日焼けしてたんで、ダッコちゃんなんて言って市場の人たちに可愛がってもらいました」と、好江さんは当時を振り返る。
看板娘の加入は風のように市場中に広まった。好江さんの存在は市場中の男性の注目だったという。「仕入れに来ていたお客さんは市場からの配送を待つようになり、市場の人は配送に出るので車の中でおにぎりをほおばるようになった。時代の変化を感じますね」と安枝さんは46年の移り変わりを振り返る。

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※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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