2014年12月01日 配信

この人に聞きました!

【千葉徳洲会病院】高森繁院長

◆千葉徳洲会病院から見る高齢者の救急医療

千葉徳洲会病院では1か月約400台の救急搬送を受け入れている。今後、高齢者の増加に比例し、救急搬送件数の増加が想定される。高齢者の救急医療を考えた時、独居、老老夫婦、特に認知症を伴う夫婦において、緊急時、救急車を要請した場合、既往歴、内服薬などを正確に伝えることは現状難しい。そのため、病院に救急搬送されても病歴がわからないことも多く、対応が遅れることもあるのが現状だ。将来的には行政、医師会が中心となり、かかりつけ医、ケアマネジャー、ヘルパー、家族など、それぞれが保有している情報を地域全体で一括管理するクラウドなどのIT技術を用いたシステムを構築することが期待される。「高齢者の救急搬送について課題を解決していくに当たり、キーパーソンであるケアマネジャーの役割が大変重要だ」と高森繁院長。同院では12月11日、ケアマネジャーを対象に勉強会を開催し、更なる連携強化を目指す。

◆地域連携室の役割とは

同院の地域連携室では、他院からの受診・入院などの紹介を調整する「前方支援」の、退院後の生活について調整を行う「後方支援」の、2つの体制を整備。後方支援では、退院調整看護師とメディカルソーシャルワーカーが協力して、退院後の医療的サポート、介護保険や生活の場所など、今後の生活について本人や家族の要望を聞き、調整を行う。自宅へ帰る場合は地域のケアマネジャーと協力して、退院後の生活について打ち合わせを行い、自宅へ戻らず、高齢者施設での生活を希望の際は、同病院の系列高齢者施設だけでなく、地域の高齢者施設も紹介する。それによって、本人や家族の選択肢を増やすことができ、希望に沿った生活を提供することができるのだ。「病院だけでなく、地域一体となり、高齢者の生活を支えていきたい」と高森繁院長。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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