平成23年9月に設置された「船橋市介護老人保健施設協会」とは、どのような組織なのだろうか?
同協会の活動内容や役割について、設立から現在に至るまで現職の梶原優さんに伺った。
どのような目的で組織されていますか?
船橋市介護老人保健施設協会(以下、老健)は、高齢者が安心して生活ができるようにすることを目指して、そのサポート体制を構築するために設立されました。船橋市内の14の介護老人保健施設が加入しています。
在宅、病院、特別養護老人ホーム(以下特養)、その他の施設の中間に位置し、要介護になった高齢者に対して、一旦施設に入所してもらいリハビリやメンタルケアを施します。そして施設から家庭へ復帰できるようにすることを第一の目的としています。
具体的な活動内容について教えてください
加入する14施設の代表が月に1回集まり定例会を開いています。市からの情報の伝達や施設間の情報の共有、問題の解決に向け協議しています。
老健の施設への入所は6カ月間が基本なので、施設で過ごした後、元気になれば在宅へ、具合が悪化するようであれば病院へ、状態が変わらず在宅での介護が難しい場合は、特養や高齢者専用賃貸住宅、介護を伴う有料老人ホームなどを紹介しています。
元気になり家に帰れた場合でも、デイサービスやデイケア、ショートステイなど家族の休暇を支援する「レスパイトケア」にも力を入れています。
協会加入の施設では、介護職員の不足が問題です。職員1人が見られる高齢者の人数が決まっているので、入所者の定員を満たせていない施設もあります。老健では船橋市とともに介護人材の確保対策として「介護・福祉の就活イベント『PORT』」などの活動にも協力しています。
老健の現状について教えてください
施設の入所期限が6カ月とあるので、改善が見られず要介護が重い人は特養などへ移動する手続きをします。しかし、特養などの受け入れ側が人数過多で叶わないという現状があります。
そのため、半年ごとに老健の施設を変えるようなこともしていましたが、利用者の心身の負担はかなり大きいです。そのようなことから、厚生労働省の通知で、改善が見込めない利用者には家族と相談の上、ターミナルケア(終末期の看取り)の契約を締結し、老健で人生の終末期まで見られるようになりました。
船橋市で思い入れのあることを教えてください
24時間医師が同乗して出動するドクターカー(特別救急隊)を導入するために尽力したことです。日本初のことで、船橋市医療センターで運用が始まったのは1992(平成4)年、現場出動型ドクターカーの元祖です。
梶原 優(かじわら ゆたか)氏
・昭和22年 東京都生まれ
・昭和47年 日本大学医学部 卒業
日本大学医学部付属板橋病院 第三外科入局
・昭和49年 国保旭中央病院外科勤務
・昭和52年 医療法人弘仁会板倉病院院長就任
・平成10年 医療法人弘仁会理事長就任
・現在 日本病院会副会長
日本病院会政治連盟委員長
内閣府被災者健康支援連絡 協議会委員
船橋西ロータリークラブメンバー
日本医業経営コンサルタント協会副会長
NPO法人日本・中東医学協会理事
日本大学医学部同窓会会長
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください