2017年02月27日 配信

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ニッチな分野を探求「逆張り」の発想で勝機を生む

新生水産の本社は、もともと埼玉県朝霞市にあったが加工場の確保や新しく始まった大手企業との取引の便から船橋市場に本拠地を移転、現在は船橋市内の企業として活躍している。

本業は全国の産地から生マグロの仕入れをし、全国の量販店や外食産業へ供給を行う水産物サプライヤー。社長の澤さん、副社長で国内の仕入れに精通した佐々木幸夫さんはともに全国漁業協同組合(=全漁連)の出身。

営業部長でマグロの輸入商社出身、海外からの輸入専門の青木英さんと、沖縄営業所には、30年買い付けを行う目利きのプロの太田孝彦さんが在籍する。全国各地の漁港を知り抜き、その時期だけの季節要因や特定の産地だけの旬を知るなど情報網と人脈が武器だ。

そうした情報をもとに同社だけの独自の仕入れを行い、他社との差別化を図る。

例えば、大間のマグロで有名な下北半島突端の大間(おおま)港。同じ津軽海峡近海の漁場で獲れた同時期のマグロは、北海道側でも水揚げされる。その場合、同じ良い品質のものを松前港で安く仕入れられるため、消費者にも安く提供が可能になる。

こうしたニッチな本物を見つけだしブランディングすることが同社のビジネスモデルのベースになっている。

そうした例は、広い水産業界には無数にある。船橋港で全国一の水揚げ量を誇るホンビノス貝もその一つだ。船橋では知られてきた「ホンビノス貝」はアサリやハマグリなどのメジャーな貝と比較すると他県で売れない。「食べ方がわからないから売れないのでは?簡単に調理できるキットを作ってみよう」と、レンジでチンするだけでホンビノス貝のアヒージョが完成するセットを開発、1月末から出荷が始まった。今後は全国の量販店などで実演販売もする予定だ。

同社は安心・安全な提供のために、世界基準の衛生管理のHACCPの取得に向け講習を受けている。また、市場の工場ではオゾンガスによる殺菌設備も導入、オゾンはすぐに揮発するため残留が無く安全性が高いという。

船橋市場に事務所を構えたことを生かし「マグロの解体ショーや新しい販売方法開拓のためにも、この先場内の店と一緒にコラボレーションしたり、市場全体で各店の力を生かしていけたら」と澤さん。

この人に聞きました。

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新生水産株式会社 代表取締役 澤浩二さん

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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