2017年04月28日 配信

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ピンホール写真家 林敏弘(はやし としひろ)さん

船橋の都市と自然の調和を探し時間と光を駆使して記録する

小さい頃、父親の持つカメラに興味を抱いたことが林さんとカメラの出会い。

当時、そんな林さんに父親が1台のカメラをプレゼントしてくれた。本格的に写真に取り組むようになったのは、サラリーマン時代に会社の写真部に誘われたことから。以降モノクロ写真も独学で取り組んだという。

その後ピンホール写真との出会いから、林敏弘さんはその柔らかい光やフレア(光のカブリ現象だが独特の効果がある)がもたらす現象に魅了される。ピンホールとは針で開けた孔(あな)のことで、ピンホールカメラはレンズを使わず、直径0.2~0.5ミリほどの針穴から光を通して、感光体(フィルムや印画紙、デジタルでは撮像素子)に像を写す仕組み。

船橋港で撮影した夕陽のピンホール写真は、その仕上がりに意表を突かれたような感動を覚えたという。

ピンホールカメラはレンズがないので焦点を結ぶことがなく、遠近両方を同感覚で撮影できる。しかしピンホール写真は鮮明な写真が撮影できるわけではなく、感光体に届く光の量が少ないので、撮影に長い時間がかかるという特徴がある。レンズでは叶わないピンホール写真のその特徴がそのまま魅力になり、林さんははまったという。

歩いたり、自転車で走ったりしながら「出会い」を求めて撮影ポイントを決める林さん。出会った風景や光景に感動するから撮る、感じたものを感じた時に撮るので、心が疲れているとそのポイントが見つけられないという。「自分の心象が被写体に投影される、心が落ち着いていないといいものは撮れないんです」と林さん。

最近はデジタルカメラを独自に改造してカラーのピンホール写真を撮っている。

昨年会社を退職し自由に使える時間が増え、「身近だが気づきにくい光景、人の心に残る一枚を撮りたい」と、林さんはさらに意欲的に写真に取り組んでいる。

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「小川と菜の花」2014.4 古和釜

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林さんの愛用するピンホールカメラ

林 敏弘 【プロフィール】
1954年 船橋市生まれ
1977年 早稲田大学理工学部卒業
1983年 写真活動を開始
1988年 モノクロ写真を独学で学ぶ
1997年 ピンホール写真と出会う
1998年~ピンホールカメラで作品を制作・発表
     個展や展覧会、グループ展出品
2015年 『流れる時間と遊ぶ光』出版

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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