ども、演出です。
やっと暑くなって来ましたね。
夏生まれのオイラは、寒いのは超がつくほど苦手です。
冬は冬眠します。冬眠。
グーカ、グーカ寝るんです。
なにやっても、どうも本調子じゃないというか・・・。
でもようやくエンジンがかかってきました。
役者は「最近、演出優しくなったな」と思ってたかもしれませんが、単に寒かっただけです。
役者に無茶振りして右往左往しているのを楽しむ季節がやってきました。
数人には無茶振りを開始しているので、「とうとう演出が目覚めやがった!」と実感している役者もいることでしょう。
苦しむがいい。
悩むがいい!
凹むがいい!!
成長は、
その先にあるのだから!!
ま、前回の公演の時に演出した内容よりは難しい事を要求するのは当たり前で、「より良い芝居」を見せるには必要なことです。
現在、12月の公演に向けて2本の作品を作っていますが、実は9割の役者は、役に付いている芝居とは逆の台本の方が合っていたりします。
「地球はチーム」の役者のほとんどは、「見上げれば」の方が合っていたり、
「見上げれチーム」の役者のほとんどは、「地球は」の方が合ってたりします。
ただ、合っている事とやれる事は、厳密には別だったりするのですが、それを差し引いたとしても、成長する為に逆の台本に付けた、というのはあります。
十夢は現在、役者への役の付け方は団長・副団長・演出が話し合って「適応できるであろう役者」に任せるようにしています。
オーディションなどの方式は取っていません。
なので、役者の中には「本当はあの役が良かったな・・・」と思っている人も居るかもしれませんね。
そういう不満を「組織」としては都度聴いていられないと言うのはありますが、
そうは言っても希望の役に就けてあげたいというのはありますからね。
オイラは日頃から役者とコミュニケーションを取って、「どういう役がやってみたいか」を聞くようにしています。
ま、ほとんどの役者がその質問に明確には答えられないんですけどね。
今は、団長が「与えられた役を好きになりなさい!」と指示しています。
(これはこれでとても大切なことです。とっても大切なことです。)
今はまだ役者が台詞を覚えていないので、全体的な動きを作るくらいに留めておりますが、本当の地獄はこれからです。
前回、「たまひよ公演」という事もあり、オイラはあんまり「こだわり」を強く出しませんでした。
役者もスタッフも新人さんです。
あまり多くを求めるとパニックになると思ったのです。
前回出演した役者からしたら、
「あれで遠慮してたのかよ!?」
と思うかもしれませんが、はい。遠慮してたんです。
役者でいえば、例えば、立ち方。
その役に合った立ち姿というのがあります。
台詞の言い方も。イントネーションも。
目線の動かし方。
緊張の仕方。
感情の表現方法。
その場に「居る」という事の動機の作り方。
音響でいえば、音の入れるタイミング。
ボリュームの下げるタイミング。
ボリュームを下げるスピード。
ボリュームの上げるタイミング。
ボリュームを上げるスピード。
0.1秒でお客様の「ツボ」は外れてしまいます。
前回の芝居で、そういった練習はほとんどしませんでした。
「このくらいのタイミングで音響入れて」
「音響が入ってから台詞を言って」
ザックリな指示です。
でも、本当は、お客様の鳥肌が立つようなタイミングで曲を入れてもらい、ボリュームが下がってから台詞を言って欲しかったのです。
でもですね。
「鳥肌が立つようなタイミング」は、やはり相当練習が必要になりますし、
ボリュームが下がってから台詞を言うには、下がるまでの間を埋める動機が必要になります。
曲が入る。
↓
少し聞かせる。
↓
ボリュームが下がる。
↓
台詞を言う。
これを行おうとすると、どんなに短くても2〜3秒はかかります。
でも、役者としては直ぐに台詞を言いたい。
でも、演出的効果を求めると待たなければならない。
なら、2〜3秒の間を埋める動機が必要になる。という事です。
演出的効果は、その役には関係の無いことです。
が、芝居として必要な効果では有ります。
だとすれば、役者が、その役として間を埋める作業が必要になるのです。
そんな事を新人に任せるのは流石に酷だと判断したのですよ。前回は。
んでも、
もし、それがやれていたとしたら、「決め」のシーンはもっと格好良かっただろうと思うのです。
んだから、今回は、やる。
こだわる。
0.1秒にこだわる。
立ち姿にこだわる。
台詞回しにこだわる。
イントネーションにこだわる。
タイミングにこだわる。
スピードにこだわる。
感情や思い、台詞覚えが大切だって事は今更言うまでもありません。
そういうのは、
もう、
当たり前の大前提です。
これからの演出は、その先を指示していきたいと思っています。
勿論、絶対にやれるかは分かりません。
もしかしたら、今回の芝居では成長しきれないかもしれません。
でも、この努力の積み重ねが、次につながると信じて頑張るのです。
素人が、少しでも、良い芝居を作るために。
十夢は、今まで弱かったスタッフ関係の勉強をする団員が増えています。
大道具や衣装、照明、小道具の勉強をする団員が増えています。
こんちゃんが、スタッフのワークショップなんぞを見つけてきてくれて、数名は参加するようです。
あ、
こんちゃんで思い出した。
今回、「地球は僕らの手の中」で使用する曲で、こんちゃんが見つけてくれた曲を使用することになりました。
今まで演出してきて、他の団員が見つけてきた曲を使用するのは初めてです。
「ボツ覚悟で探してください」
そう前回こんちゃんに言って、数曲見つけてきてくれて、結果、本当に全てボツになってしまいました。
で、今回、こんちゃんは「今度こそ1曲くらいは見つけたいんです!」と張り切って探してくれました。
こういう時、
オイラは、
「前回も全曲ボツにして今回も全曲ボツにするとこんちゃんが可愛そうだ。1曲くらいは使ってあげよう。」
なんて、
一切考えません。
駄目なもんは駄目です。
ボツなもんはボツです。
でも、今回探してきてくれた曲の中で、オイラが見つけた曲よりもシーンに合っている曲がありました。
即、入れ替えです。
水曜にそのシーンを少し練習しました。
やっぱりオイラが見つけた曲よりも明るくてシーンに合っています。
よし!これでちょっと芝居がグレードアップした!
さてさて、
役者は台詞を覚えたでしょうか?
地球はチームの役者は、少なくとも先週よりは入っていたと思います。
自宅でちゃんと時間を作ってくれたんだなって分かります。
でも、まだ100%とはいえないので、これから3週間は気を抜かず頑張って欲しいと思います。
油断するとすぐ忘れてしまいますから。
体に染み込むまで何度も何度も繰り返しましょう。
継続することが大切です。
そして、
練習は気合を入れること、
大きな声を出すこと、
集中すること。
要は、
一生懸命やること。
オイラの考える一生懸命とズレているようなら、早急にオイラの考える「一生懸命」に合わせる必要があります。
基本、芝居のやり方や考えは役者の自由だと思っていますが、これは十夢の芝居における共通認識です。
オイラの考える「一生懸命」。
役者の皆さん、共通認識を持ちましょう。