ども、演出です。
3/16に無事公演を終えることが出来ました。
ご来場頂きましたお客様、長い芝居にお付き合い下さいまして誠に有難う御座いました。
もう3時間を越す芝居はやりませんので、次回以降は安心してご来場頂けますでしょうか。
そして、スタッフ関係は音響を除いて全て引き受けて下さいました「月ねこ座」様。
有難う御座いました。
もし、これらを全て十夢でやっていたらと思うと・・・。
おそらく、オイラ本番途中で倒れていたと思います。
本当に助かりました。
公演終了後、団員達は号泣でした。
オイラに何か話しかけてくれるのですが、しゃくりあげて何を言ってるのか聞き取れません。
男性団員も女性団員も泣いてました。
泣き過ぎてむせてる奴まで居ます。
ティッシュの消費スピードが早い早い(笑)
そんな皆を見て、自分の考えは、やり方は間違っていなかったと確信しました。
役者の喜びなんて、本番終了後の、この一瞬だけでいいんです。
本番を終えたこの充実感・達成感。
練習通りにやれなかった悔しさ。
仲間と共に確かな時間を共有できた連帯感。
お客様から認められる喜び。
時間として換算すれば、もの凄く割に合わないですよ?
365日頑張ってきて、心の底から何かを感じれる時間はほんの数時間です。
でも、純度が違います。
日常生活をおくっていて「心から湧き上がる感情」「押さえられない感情」を持つ事がどれくらいあるでしょうか。
感情のコントロールが利かない状態になるなんて事、どのくらいあるでしょうか。
大人になればなるほど、その機会は減っていくような気がします。
純度100%の喜び。
純度100%の悔しさ。
純度100%の寂しさ。
役者を・・・・・いえ、正確には「十夢で役者をやってきた」からこそ、味わえる感情です。
オイラの無茶ぶりに耐え、
頑張り続け、
努力し続けたからこそ、味わえるものです。
1年間、本気で向き合い続けた役との別れを「寂しい」と感じて欲しかったです。
そして、オイラは悪魔ですからね。
次の感情開放の練習時に活かして欲しいと思っています。
今回で役者を辞めるなら、純粋にこの思い出を「宝物」にして欲しいです。
でも、役者を続けるなら、活かさなきゃ。
押さえようと思っても気持ちが先走って次から次へと涙が止まらない状態。
身体が震えるほど悔しいと思った感情。
どれも純度100%で、自らが経験したものです。
漫画や小説、ゲームや映画で流した涙ではありません。
提供された感情とはわけが違います。
それぞれの人生で、自分が生み出し、感じた感情です。
大切にしてください。
今後も役者を続けるなら、あの日の感情を大切にしてください。
いつでも思い出せるように。
あ、でも、今すぐじゃなくていいですからね。
今はゆっくり休んでください。
オイラの感情はというと・・・
充実感もあります。
達成感もあります。
でも、
それ以上に悔しさと怒りの方が強いです。
団員達により良い環境を与えられなかった悔しさと、
配慮しきれなかった自分への怒りです。
この1年、団員達はオイラの言葉を信じて付いて来てくれました。
少しも疑うことなく、付いて来てくれました。
正直、昨年のアートフェスティバルの時、「もう演出はしたくない・・・」と思っていたんです。
演出の感性を信じられないなら、演出の言葉を信じられないなら、オイラは必要ないんじゃないかって思っていました。
でも、十夢に残ってくれたメンバーが言ってくれました。
「演出は演出のやりたいようにやって下さいよ。」
「俺達はまだ十夢に入って演出の演出受けてませんけど、どういう演出をするのかわかりませんけど、必ず演出に付いていきますから。」
「ただし、本番、お客様と俺達が納得出来なかったら全部の責任取ってくれますよね?」
この言葉を聞いて、オイラはもう一度だけ演出をすることを決めました。
もし、これで公演失敗したら劇団を辞めるつもりだったんです。
今だから言えることですけどね。
だからこそ、オイラはオイラの時間、全て団員にあげるつもりでした。
誰がどんな質問してきても、必ず本気で考え、答えようと決めていました。
作りたくはありませんでしたが、どうしてもチョイ役が出来てしまい、でも、チョイ役にも絶対に手は抜かないって決めていました。
そして、
この1年、残ってくれた団員は、あの日言ってくれた言葉を守ってくれました。
オイラがどんな無茶ぶりをしても付いて来てくれました。
オイラのやりたいようにやらせてくれました。
新人達もオイラの言葉を信じ続けてくれました。
でも、オイラは皆に「本番を迎える為に最適な環境」を与えることが出来ませんでした。
役に集中させてあげたかった・・・。
演出の仕事は「本番までに芝居を完成させる」事ですが、オイラは完成させられませんでした。
二度と・・・
二度と同じ事はしません。
もう、絶対に二度と同じ事はしません。
諸事情により役者がやれない団員は居ましたが、公演終了後、退団を言ってきた人は居ませんでした。
これまた十夢では初めての事です。
次回公演は12月の予定です。
1日に違う芝居を2本、公演するつもりです。
必ず面白い芝居にします。
十夢を越えられるのは、
十夢だけです。
次回の記事は、本番に関する事を書きたいと思います。