ども、演出です。
ここ1、2年の十夢の変化は凄いものがあります。
団員が増え、責任が重くなり、公演内容もバリエーション豊富になりました。
仲間が増えることは嬉しいです。
(その分、問題も増えますが・・・。)
仲間が増えれば立場も変わります。
立場が変わればスタンスも変える必要があります。
オイラは元々、新人とはあまり話をしないよう心掛けていました。
最低限度のコミュニケーションを取るだけに留めて来ました。
続くかどうか分からない新人に労力を割きたくない・・・といってしまうと「外道人間」のようですが、仕方がありません。
情が移った後で辞められると、本当に心がおかしくなりそうなんです。
自分自身への防衛反応でもありました。
そして、
何より、
新人にとって、
高い壁
でなければならないと思ってきたからです。
十夢は団長はじめ、副団長もそうですし、ベテランがとにかく良い人。
気さくだし、懐が深いし、何より優しい。
(甘いわけじゃありませんけど。)
そんな中、一人くらいはとっつき難い奴がいる必要があると考えていました。
劇団は、「楽しいだけじゃないんだぞ。」を、示すのです。
しかし団員が増えたことにより、そのスタンスを変える必要が出てきました。
最近ではオイラは新人と会話してばかりです。
と、いうよりも、芝居作り以外の会話をしていないかもしれません。
コミュニケーションを全く取っていない。
取っていない?
いや、取れていない。
芝居作りの作業が遅れている中、焦りだけが蓄積していきました。
しかし、ある一人の団員の変化が、オイラを救ってくれています。
その人の名は、
かべちゃん。
彼女の変化は本当に有難く、オイラに勇気を与えてくれます。
かべちゃんが入団したのは今から3年前。
2009年のことです。
この頃の十夢は年中団員不足に苦しみ、役者を集めるだけで一苦労でした。
高校の頃の後輩に声をかけたり、一度退団した人に声をかけたり。
役者を集めるだけでその苦労でしたから、照明や音響、その他スタッフ関係をお願いするのはもっと大変でした。
一人当たりの責任は重く、役者は役者だけやっていれば良いというわけではありません。
小道具を集めたり、衣装を作ったり。
練習場所代確保の為にフリマもやりました。
あの頃を経験していれば、今が本当に恵まれた環境と感じるはずです。
しかし、
環境は恵まれてきたのですが、
逆に大変になってきていることもあります。
それは、
芝居の出来。
十夢は一つ一つ、ちょっとずつ、成長してきました。
やれることが増えてきたのです。
当然前回より面白い芝居を作らなくてはなりません。
そう。
重要で大変なのはここ。
前回より、
面白い芝居を。
大変だ。
こりゃ大変だ。
個人の成長なくして実現できないことです。
そして、演出の方向性を理解することも大切になってきます。
数年前は演出の方向性が分かっていなかろうと、希望通りの演技が出来なかろうと、役者は役者でした。
だって代わりがいないんだもん。
でも今は違います。
方向性が分からないなら、
演技が出来ないなら、
代わりがいるんです。
劇団なら至極当然な法則です。
上手い奴が役に付く。
今、かべちゃんの中で整理しきれているかは分かりません。
でも、心構え的なものは凄く感じます。
前々回主役をやって、たまひよ第2弾を経て、間違いなく成長しました。
実はかべちゃんとは最近の劇団の練習でほとんど話せていません。
練習前に挨拶をするくらいでしょうか。
ですが、彼女は今、オイラには輝いて見えます。
彼女の心構えが、成長が、オイラに勇気をくれます。
練習中の彼女の姿勢が、
「大丈夫ですよ。
演出は間違っていませんよ。」
と言ってくれているように感じられるのです。
現在、2つの公演を同時進行で製作しておりますが正直「厳しい現状」です。
ひとつは役者達が台詞が入っていないので演出できません。
ひとつは役者達が感情に嘘を付くので場面が見ていられません。
上記は「演出」の範囲内ではないと思っています。
台詞を「覚える」「覚えない」までが演出の責任では流石に厳しいです。
その人の1日のスケジュールを管理できるわけじゃありませんから。
「台詞覚え」は役者個人の責任とさせて頂きたいところです。
しかし、
もうひとつの、「役者が感情に嘘を付く」これは演出の責任の範囲です。
今後は言葉を尽くして理解してもらうつもりです。
足掻いて、足掻いて・・・・その先へと進んでいきたいと思います。